時間を忘れて遊び呆け、
気がつくと、あたりはすでに黄昏時。
西の空には一番星が瞬きだす。
それが二つ、三つと増えていく空を仰ぎながら家路を急ぐ。
家に帰れば、夕餉のしたくも整い、
日長いっぱい働いた汗を風呂で流した父の前には
冷たいビールと酒肴。
家族揃ってにぎやかな食卓を囲む。

幼いころ、ごく当たり前だと思っていたそんな光景が、
実はとても幸せことだったと気づく。
テレビゲームも携帯電話もなかったけれど、
そこには、和やかで楽しい団欒があり、
豊かな時がゆったり流れたいた。

このようなのどかで平和な光景は、
もはやこの日本になくなってしまったのであろうか。

いや、そのようなことはあるまい。
たしかに時代の変化とともに世の中はずいぶん変わったけれど、
家族や仲間との語らいやふれあい、
一日を終えて床につくときの安らぎ、
そうした日常の幸福は意識すればまだまだあるはずだ。

いまの平凡な暮らしのなかの幸せを
お互いもっといとおしみ、もっと大切にしたい。




RE DESIGN―日常の21世紀